ケース スタディ
CAD から GIS への変換: 効率性とコスト削減の達成
コロラド州デンバーの郊外にあるアーバダ市水道事業部は、1,050 マイルの導管を維持して 3 万 9,000 人の顧客にサービスを提供しています。 この水道事業部は 25 年以上もの間、そのネットワークのマッピングに AutoCAD を利用しており、 現場の作業員には紙の地図帳が支給されていました。 未来に GIS を取り入れる必要がありました。
課題
ユーザー - アーバダ市水道事業部
課題 - GIS を実装して、モバイル テクノロジと資産管理をサポートする。
ソリューション - ArcGIS モバイル アプリケーション、ArcGIS Online、および Cityworks
結果 - 1 つのプロセスで 1 週間あたり 28 工数を削減。 デジタル ワークフローへの移行により、3 年間で 27 万 5,000 ドルのコスト削減。
アーバダ市水道事業部のマネージャーである Cliff Deeds は、この事業部を未来へ移行したいと考えました。 この未来に含まれていたのは GIS、モバイル、テクノロジ、および資産管理システム (AMS) です。 現場でスタッフが業務を実行し、ユーティリティ ネットワークを保守するには、正確な最新のマップが必要不可欠です。 スタッフは、現場でネットワーク フィーチャに関するより詳細な情報を保存し、マップを使用する必要がありました。 配置された作業員が高齢化しているため、資産管理システムに作業履歴と組織的な知識を取り込むことも、未来の事業部にとって重要でした。Deeds の目標は、2 年以内に GIS と AMS を配置することでした。 この目標を達成するには、AutoCAD データを GIS に変換する必要がありました。
パートナー
アリゾナ州フェニックスを拠点とする Engineering Mapping Solutions (EMS) が、CAD データを Esri の Local Government 情報モデルに変換するために採用されました。 市職員が、欠落した詳細データを補充し、データ編集プロセスを作成しました。 市職員はまた、Trimble R2 デバイスを使用してデータの空間的な正確度の改善にも取り組み、Cityworks 資産管理システムを実装しました。
解決策
Esri の Local Government 情報モデルは、CAD データの変換にすぐに使用できるデータ モデルを提供する上で極めて重要でした。 紙の地図帳がモバイル アプリケーション用の ArcGIS Explorer に置き換えられ、すべての現場作業員に iPad が提供されました。 Collector for ArcGIS が Trimble R2 機器とペアリングされたため、スタッフは新規フィーチャとして 12,000 を超えるポイントを収集して、既存のフィーチャを調整できるようになりました。 これらのモバイル アプリケーションを ArcGIS Online と併用することで、GIS スタッフは現場に正確なネットワーク マップを提供できるようになりました。 Esri ツールは、スタッフによる迅速な GIS の導入と稼働を可能にしました。
同時に、Cityworks AMS が直接 GIS に接続されたため、この事業部では、複数の場所での作業を Excel や Access、紙などの形式で追跡するのを止めることができました。 その結果、GIS で作業を特定のネットワーク フィーチャに関連付けることができるようになりました。
下の図は、AutoCAD によるポンプ場のマップと、変換後の GIS マップを示しています。

結果
水道事業部の全員が短期間に多くのことを学ぶ必要がありましたが、これは、ほぼすべての作業プロセスを変革する場合に予想されることです。 スタッフは変更内容と課題を学習し、それらに適応すると同時に、作業の目標や目的を達成し続けました。 新しいマップは「スマート マップ」と呼ばれることもあります。フィーチャをクリックすると、必要な詳細を取得でき、これは、以前はできなかったことです。 その他のメリットとしては、レッドライン ツール、現場で利用可能なマップの更新、新しいシンボル オプションなどがあります。 パイプ シンボルが属性と連動するようになり、導管をステータス別、圧力帯別、材料別に表示できます。 また、スタッフは特定の状況で必要とされるレイヤーを選択することもできます。
水道事業部と IT 部門が実行した評価によると、地図帳を iPads に移行したことで、3 年間で 27 万 5,000 ドルのコストを削減できたことがわかりました。 これらの削減額は、現場のワークフローが改善されたため、この評価以降に増加しています。 たとえば、給水停止プログラムをサポートしているワークフローが改善されました。 これまでは、4 人の従業員から成る作業班が 8 時間かけて毎週、停止を実行していましたが、 現在では、2 人の作業班による 2 時間の作業で済むので、その 1 つのプロセスで 1 週間あたり 28 工数を削減できます。